物語の中の端々にある伏線を最後に全部回収する最終章は圧巻です。
湊かなえの最高傑作です。
物語の中の端々にある伏線を最後に全部回収する最終章は圧巻です。
湊かなえの最高傑作です。
幼い娘を自分が担当する中学校1年生の男子生徒二人に殺された女教師による、容赦ない残忍な復讐劇を描いた物語です。
娘を殺された女教師が、HRで自分自身や家族の人生を語ったうえで犯人生徒たちを糾弾し、報復として「ある恐怖」を少年たちに植えつけて学校を去る第一章に始まる物語は衝撃的で、第一章を読みきらないと、事件の外枠と彼女の意図が掴めないようになっている女教師の「告白」の構成はよく組み立てられており、掴みは本当に見事です。この第一章の構成の見事さに惹きこまれた読者の方は多いと思います。私もそうでした。
六章構成のこの物語は、第三章は犯人の一人である少年の母親、第四章は犯人の少年の一人、というように、章ごとに語り手を変えることで、女教師が語ったのとは異なる事件の側面や、犯人生徒たちのそれまでの人生と内面、糾弾後の犯人たちやクラスの様子などを見せ、そして、事件の真の真相がわかったあとの最後の第六章で、第一章では明かされなかった女教師が真に意図していた復讐が達成される・・・という構成を取ることで、読者を引き込ませようとする作者の意図が感じ取られ、まさに構成に特化させようとした作品です。過去に現実に起こった少年犯罪や少年法の実情、13歳の子供たちの思春期特有の鬱屈や視野の狭さや残酷さ、母親という生き物の身勝手さ、母親が子供へ与える影響、人間のエゴイズムなども作者はテーマとして盛り込みたかったんだろうな、という意図は、読んでいると存分に感じられます。
ただし、登場人物たちの感情やその移ろいの描写には少々無理があり、そのためなのか、あれこれ盛り込みたかっただろうテーマが十分には活かしきれてないような印象も少ししました。
感情のつながりに無理があるだけではありません。子供だけなく、大人までも「自分が正しくって他が間違ってるんだ。自分って、かわいそう」という姿勢を崩さない登場人物たちが一方的に語る物語が六つ並んでも、相乗効果は生まれづらく、また、そういう人物たちの心理描写には感情移入はしづらいとでもいいましょうか・・・、私個人の感想としては、登場人物たちの視野の狭さと身勝手さが際立ち、後味の悪さが一番印象的なものとして、読後には残ってしまいました。(ラストが残酷な小説は嫌いではなく、むしろ、好きなタイプなのですが・・・)
事件の当事者たちだけでなく、事件を冷静に観察できる第三者の視点を組み込んだほうが、もっと完成度の高い物語になったんじゃないかなぁ・・・と思ってしまった小説です。でも、構成としては見事な作品ですので、近年多い、心理描写よりも構成の妙に特化した小説、と捉えるといいかと思います。
淡々とした怖さ。
本編入ってすぐの先生の独白をひたすら文字を詰めて書いてあるところから、何とも言えない求心力を感じ、立ち読みだけで一章を読み切ってしまいました。ラスト怖すぎ(´Д`;)
怖い!
でも気になって一気読みしてしまいました。
読み応え十分です。